ラバーロック工法といったら悪徳業者?正しい知識と適切な施工が重要です
佐倉市のリエイトホーム広報担当です。この屋根のお役立ちコラムでは、屋根修理やリフォームなど屋根に関する情報をお届けします。
屋根修理でラバーロックとう工法をご存知でしょうか。
簡単に説明すると、瓦同士をコーキングでくっつけ、瓦のズレの防止と雨水の侵入を防ぐことができる施工方法です。
ただ、ラバーロック工法=悪徳業者というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、ラバーロック工法の正しい知識と実情、メリットとデメリットをご紹介します。
目次
ラバーロック工法とは
インターネット検索で「ラバーロック工法」と検索すると、関連キーワードによくないキーワードがでてきて、本当に大丈夫なの?と思われる方も多いと思います。
マイナスのイメージがあるラバーロック工法ですが、実は正しい知識と適切な施工方法を行うことで地震や台風などの自然災害の際に瓦がズレたり飛散することも防ぐことができます。
ラバーロック工法の施工方法
先程も簡単にご説明した通り、ラバーロック工法は瓦同士をシーリング材で接着します。
施工方法が簡単なので、悪徳業者がおすすめする屋根修理の一つですが、単にシーリング材で施工すればいいというわけではありません。
正しい施工方法
ラバーロック工法の正しい施工方法をご紹介します。
- 山部分のみ接着
- 雨水の流れ道ではない瓦の山部分のみをシーリングで接着することで、瓦下に隙間を塞ぐことがないので、通気が確保され、内部に水が溜まらず適切に排水することができます。
- 瓦の山部分をL字型に接着
- L字型にシーリングを打つことで強度が高まります。風の強い地域や多方向から風が吹く立地の場合効果的です。この場合も接着面が少ない方がよく、地震などの災害時に瓦がくっついたまま落下したりズレることを防げます。
- 棟瓦・熨斗瓦は一部分のみ接着
- 瓦の最上部の冠瓦は熨斗瓦と面している一部分を、棟の最上段の半丸瓦は頂点だけ、熨斗瓦は一番下のみといった形で部分的に接着します。
誤った施工方法
隙間を残さず瓦の4辺をコーキングで埋めてしまうのは誤った施工方法です。
本来、瓦同士には隙間がありそこから水蒸気や流れ込んできた雨水を排出させるような構造になっています。ですので、瓦同士の隙間がふさがれると水の逃げ道がなくなり、屋根の内部に水が滞り雨漏りを引き起こしてしまいます。
単に隙間を塞げば雨漏りを防げると思われがちですが、実はそうではありません。また、屋根の内部には空間があり、寒暖差や湿度などの影響で結露が発生するため隙間というのは必要なものなのです。
雨漏りだけではなく、結露からカビが発生し柱などの木材の腐食する危険がありますので、こういった工法で行うのは適切ではありません。
ラバーロック工法のメリット・デメリット
正しい施工方法で行えば問題がないラバーロック工法ですが、メリット・デメリットもあります。
ラバーロック工法のメリット
ラバーロック工法のメリットは以下の通りです。
- 防水性能が向上
- 瓦自体丈夫で長持ちする屋根材ですが、年月の経過とともに歪みや変形してきます。その部分から雨漏りを引き起こす危険もありますので、ラバーロック工法によって歪みや変形を補正し雨漏りのリスクをケインげすることができます。
- 耐震性が向上
- 本来瓦は固定されておらず、土台の葺き土や桟木に乗っている状態ですので徐々にズレが生じてきます。瓦がズレることで落下してしまったり、最悪の場合は瓦が極端にズレれその重さでバランスが崩れて家全体に悪影響を及ぼすこともあります。ラバーロック工法で瓦同士を固定することで瓦の落下やズレを防止できるので、地震があった際にも安心です。
- 施工費用が安い
- 材料はシーリング材だけですので、施工費用は安く済みます。
- 工期が短い
- 面積にもよりますが、一般的に工期は1日ほどです。
ラバーロック工法のデメリット
ラバーロック工法のデメリットは以下の通りです。
- 湿気が溜まりやすい
- 隙間が塞がれている状態ですので自ずと湿気が溜まりやすくなります。適切に隙間を設け施工していたとしてもある程度そのリスクはあります。もちろん全ての隙間を塞いでいたとしたらなおさらです。
- 瓦の再利用不可
- 瓦同士をシーリング材で接着していますので、もし瓦の葺き直し工事や部分補修したい場合は元あった瓦を再利用することができません。例えば、漆喰の補修を行う際は一旦瓦を撤去して詰め直し後は元に戻しますが、ラバーロック工法を施工した後の瓦は使えません。
- 次の屋根修理時にコストがかかる
- ラバーロック工法を行った後に屋根修理や屋根リフォームをする際、シーリング材を剥がして撤去する必要がありますので、通常の屋根材撤去より手間がかかり、その分費用も高くなります。
- 落下する際危険
- 瓦同士が接合しているので、大きな地震が発生し瓦が落下した場合まとまって落下する危険があります。瓦自体単体でも重たいので、それがまとめて落ちてくるとそれなりの衝撃になり人や建物に被害を及ぼす危険もあります。
ラバーロック工法で注意したい点
繰り返しになりますが、ラバーロック工法は決して悪い工法ではありません。
ただ、ラバーロック工法をする業者は悪徳業者の可能性が高いのも事実です。
というのも、シーリング材を打つだけなので簡単にでき、葺き直し工事やカバー工法といった屋根修理よりも工期が短く安く済むとうことで、ただ契約を取りたいがためにすすめる業者もいます。
工事期間も短く安くい値段で瓦のズレが防げるから・・・といって安易に工事を決めてしまうと、次の屋根修理やメンテナンスをするときに逆にコストがかかってしまい、トータルで考えると損をしてしまうこともあります。
ラバーロック工法の施工実績
当社では、ラバーロック工法での施工実績があります。
もちろん正しい知識と適切な施工方法をもっておりますので、どうぞご安心ください。
まとめ
ラバーロック工法は、決して悪い施工方法ではありませんが、将来今の家に長く住み続けたい、ゆくゆくは葺き替え工事を検討している方にはあまりおすすめできませんが、一時的に屋根の瓦のズレ防止や耐久性を維持したいといった場合でしたらよいかと思います。
ただ、その場合も悪徳業者や知識のない職人に依頼するのではなく、信頼できる屋根修理業者を選び依頼することが大切です。
そのために、ラバーロック工法の正しい知識と情報を知っておき、依頼する場合はどのような施工をするのか詳しく聞いてから判断するようにしましょう。
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