セメント瓦とモニエル瓦とは?屋根材の特徴とメンテナンス方法について
一口に「瓦」といっても様々な種類があります。
本日のコラムでは、セメント瓦とモニエル瓦についてご紹介します。屋根材の違いについて普段あまり考えたことがないかもしれませんが、それぞれ特徴が異なりますので適切に屋根修理やメンテナンスを行う必要があります。
目次
セメント瓦とモニエル瓦の違いとは?
見た目だけではセメント瓦とモニエル瓦はよく似ています。
まずはそれぞれの特徴と見分け方について解説していきます。
セメント瓦の特徴
セメントと川砂を1:2~1:3の重量比率で混ぜ合わせ、モルタル型に入れ整形してから塗装を施した屋根材が「セメント瓦」です。その名の通りセメントでできているため耐火性がありデザインが豊富なのがメリットといえます。ただ、衝撃に弱く飛来物で損傷したりすることもあり、粘土瓦と比較すると耐用年数は短いといった面もあります。
セメント瓦の見た目は、断面の小口が平らで滑らかになっています。
セメント瓦については、こちらの記事で詳しく書いていますのであわせてご覧ください。
モニエル瓦の特徴
モニエル瓦は、オーストラリアのモニエル社と日本企業が共同開発した屋根材です。正式には乾式コンクリート瓦と呼ばれ、乾式洋瓦とも言います。当時人気の屋根材だったことから、社名そのままの「モニエル」として名前が浸透しました。ただ、2010年に日本モニエルはなくなってしまったので、現在はモニエル瓦は生産していません。
モニエル瓦の主な原料はセメントと川砂で、セメントを保護するため着色顔料であるスラリー層が表面に塗られています。
モニエル瓦の見た目は、断面の小口は凹凸多くザラザラとしています。
セメント瓦とモニエル瓦のメンテナンス方法
セメント瓦とモニエル瓦は、新築や建て替え時には塗装が施されていますので問題ありませんが、時間の経過により剥がれてきてしまいます。どちらも素材そのものに防水性がないため屋根塗装が必要です。ただし、屋根材の種類を見分けて適切に塗装を行わないとせっかく塗装したのにすぐに剥がれてしまった、なんてこともありますので気を付けなければなりません。
セメント瓦の屋根塗装工程
セメント瓦の屋根塗装は、他の屋根材や外壁塗装と同様の工程で行われます。最初に、高圧洗浄で溜まった汚れを丁寧に落とし切ります。その後自然乾燥させるのですが、もしセメント瓦が損傷していたりすると水を吸収しまう場合がありますので時間をかけてしっかり乾燥させます。完全に乾ききった後、下塗り+中塗り+上塗りの3工程で塗装を行います。
屋根塗装の回数についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
モニエル瓦の屋根塗装工程
モニエル瓦は、先ほどお伝えした通りスラリー層があるので塗装の工程が複雑です。もし、スラリー層が浮いている状態で塗装を行うと塗料が剥がれやすくなる可能性がありますので、塗装の際はスラリー層を綺麗に除去するか強化して行う必要があります。
スラリー層の除去は、高圧洗浄で一つ一つ入念に洗浄していきます。また、強化する場合はプライマーを塗布し、強度に問題がないかガムテープを貼って確認してから塗装を行います。その後は、通常の屋根塗装の工程と同様です。
スラリー層を除去するには入念な高圧洗浄で1枚1枚丁寧に洗い流します。またスラリー層を強化するには専用プライマーを使用し
さてここからは具体的なモニエル瓦の塗装手順です。セメント瓦と同様にまずは高圧洗浄で汚れを落とし、その後にスラリー強化プライマーを塗っていきます。スラリー強化プライマーを塗った後、スラリー層が強化されたかガムテープを使って粘着テストを行いましょう。スラリー層がガムテープに付着しなければ合格です。下塗りの後は通常の塗装と同様に中塗りと上塗りを行い完了です。ガムテープによる粘着テストでスラリー層がガムテープについてきてしまったら、再びスラリー強化プライマーを塗り粘着テストという手順を繰り返してください。
まとめ
瓦屋根は塗装が不要と思われている方もいらっしゃいますが、セメント瓦とモニエル瓦はお伝えした通りどちらも屋根塗装が必要です。一般的に10年前後を目安に塗り替えを行わないと、塗膜が剥がれてしまい素地がむき出しになり、そこから雨水を吸い込んでしまいます。それを放置しておくと、強度が低下し割れてしまうことがあります。そうなるとそこから雨水が内部に入り込み雨漏りのリスクを高めることになりますので、定期的なメンテナンスを行ってください。
また、それぞれの違いを見分けられず誤った塗装を行ってしまうと、せっかく塗装したのにすぐ剝がれてしまうことになりますので、信頼できる屋根専門業者を選ぶことも大切です。
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