瓦屋根の雨漏りの主な原因について解説
日本の住宅で昔から親しまれている瓦屋根。丈夫で長持ちするイメージがありますよね?
だからといって雨漏りしないというわけではありません。メンテナンスを怠っているといつの間にか雨漏りが発生することもありますので、定期的な点検や屋根修理が必要です。
今回のコラムでは、瓦屋根の雨漏りの原因とその屋根修理・補修方法についてご紹介します。
瓦屋根の構造
瓦屋根には雨漏りを引き起こす可能性がある部位や建材が存在します。
瓦本体は非常に耐久性が高いので丈夫で長持ちしても、下地の野地板やルーフィングといった屋根の構造部分などが先に寿命を迎えて劣化して雨漏りの原因になることも。
瓦屋根がどのようにできているかを知っておくと雨漏りが発生するのかを理解できるかと思いますので、まずはその構造からご紹介します。
瓦屋根の構造について
屋根に瓦が葺かれている状態でしか見たことがない方がほとんどかと思います。その下の構造は、野地板、ルーフィングがありその上に瓦が施工されています。
- 野地板
- 野地板とは屋根の下地です。瓦屋根に限らず屋根には土台となる下地があり、現在は構造用合板が使用されています。その耐用年数は30~40年くらいなので瓦よりも先に寿命を迎えてしまいます。野地板は木製のため仮に雨水がしみ込んでしまうと劣化が進んでしまいます。
- ルーフィング
- ルーフィングとは防水シートのことで野地板の上に敷かれています。その種類はアスファルトを染み込ませたアスファルトルーフィングや湿気を逃がすことのできる透湿防水ルーフィングなどがあります。もし雨水が瓦を通り抜けて入ってきたとしても、このルーフィングで建物内部に水が浸入するのを防いでくれる二次防水の役割があります。
- 瓦
- 瓦はルーフィングの上に木材を水平方向に固定し、それに引っ掛けるように葺いていきます。瓦を重ねて葺くことでそこに隙間が生まれますので、雨水や湿気を排出する一時防水の役割となっています。
瓦屋根の部位について
屋根材や屋根の形状によってそれぞれに部位があり名前がついています。
瓦屋根にも各所に名称がついていますので、雨漏りの原因となりやすい代表的なものをご紹介します。
- 棟(むね)
- 瓦屋根の天辺を「棟(むね)」と呼びます。屋根の一番高い部分にある棟を「大棟」、2面以上で構成されている屋根の形状の場合はその下の段にある棟がありそれを「隅棟(下り棟)」と言います。
そこには屋根面に葺かれている瓦ではなく棟瓦を使用します。この棟瓦は漆喰で固定されています。この漆喰にも寿命があり瓦よりも先に劣化が進みますのでメンテナンスが必要です。 - 谷(たに)
- 切妻屋根の場合は屋根が2面しかありませんが、複数の屋根面がある場合は重なり部分ができその頂点を「山」、下の部分を「谷」と言います。当たり前の話ですが雨水は高い所から下に流れてきますので、屋根の天辺の棟から谷へ流れ込みます。水の影響を受けやすい箇所は弱点となりますので、屋根の棟や谷は雨漏りしやすい箇所になります。
- 取り合い
- 2階建て以上の家の1階部分の壁から取り付けられている屋根を「下屋(げや)」と呼びます。外壁と屋根、違う部材同士が結合される部分でこの部分を取り合いと言い、この取り合い部分は雨漏りしやすい箇所の一つです。
平屋や屋根面が2つしかない切妻屋根の場合は構造がシンプルなので雨漏りしやすい箇所は少ないですが、複雑な形状をした屋根の場合は雨漏りしやすい箇所が多くあります。
瓦屋根の雨漏りの原因4つ
ご説明した通り、瓦屋根には雨漏りがしやすい部分があることをご理解いただけたところで、どのようなことが原因で雨漏りが起こるのかをご説明します。
瓦のズレ・浮き・割れ
台風などの強風や地震の揺れで瓦がズレたり浮いてくることがあります。また、強風で物が飛んできて瓦に当たると割れてしまうことも。また、冬場の寒い時期の冷害や沿岸部で潮風による塩害で損傷してしまうことがあります。
瓦のズレや浮き、割れがあるとそこから雨水が浸入して雨漏りを引き起こしてしまいます。
漆喰の劣化
先程も少し触れましたが、棟瓦は漆喰で固定されています。その漆喰は10~20年で耐用年数を迎えひび割れや漆喰がボロボロになって崩れてしまいます。そのような状態になってしまうと、隙間ができてしまいそこから雨水が浸入します
板金の劣化
複数の面がある屋根の場合は谷があり、その谷部分には雨仕舞として谷板金が設置されています。雨が流れ込む場所のため負担が大きく劣化がしやすい箇所です。錆や穴があいてしまうとその部分が雨漏りの原因となります。
下地の劣化
前述した通り屋根材の下には野地板とルーフィングが施工されています。瓦本体より先に耐用年数を迎えますので、それが劣化していると雨水を建物内部に通してしまいます。
また、昔の瓦屋根の場合は土葺きで瓦を固定していたので、その土が年月の経過によって流出し減っていきます。そうなると瓦がずれ下地がむき出しになり、土の下にある下地にも影響が出て雨漏りが発生します。
まとめ
メンテナンスフリーと呼ばれる瓦ですが、それは瓦本体の話です。
瓦屋根を構成する各部材には雨漏りの原因となりやすい弱点があり、野地板や防水シートにも寿命があり劣化します。ですので、瓦屋根だからと言って点検やメンテナンスを怠ると、気が付いたころには複数の箇所で雨漏りが発生していて大掛かりな工事が必要になることもあります。
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